学校の時間割が、これから変わろうとしている。けれど、現場に必要なのは「制度が変わるらしい」という断片的な情報ではない。何が変わり、何がまだ決まっておらず、学校として何を準備すればよいのか。その道筋を、一冊の本としてまとめた。
書名は、『学校の時間割が変わる。――調整授業時数を現場でどう理解し、どう準備するか』。Ban.Tai Education Designとして、ぜひ先生方に読んでほしい本である。
標準授業時数、年間指導計画、時間割、週案、実績、提出資料。現場では別々に考えられないものを、一つの流れとして整理している。
なぜ、いま読んでほしいのか
「調整授業時数」という言葉は、これからの教育課程を考えるうえで避けて通れない。しかし、新しい制度は言葉だけが先に広がると、現場ではかえって不安が大きくなる。
「授業時数を減らしてよいのか」「何に振り替えられるのか」「年間計画はどうなるのか」「時間割は誰が、いつ、どう直すのか」。こうした疑問は、制度資料を読むだけでは消えない。
だから本書では、制度を説明して終わらせず、その制度が学校の年間計画と時間割に落ちてきたとき、何が起こるのかまで考えた。

この本の良さ――「分かったつもり」で終わらない
1. 確定事項と未確定事項を分ける
注目される数字だけを先取りせず、いま確かに言えること、今後の制度確定を待つこと、学校が先に準備できることを分けて読む。
2. 制度と教務実務をつなぐ
標準授業時数、削減・充当、年間指導計画、時間割、週案、実績管理までを別々の話にしない。
3. 「自校ならどうするか」が見えてくる
制度の理解を、自分たちの学校の教育課程、行事、学年、教科、子どもの実態へ置き換えて考えられる。
4. 読んだ先に実務がある
Ban.Taiの調整授業時数対応版とも考え方がつながっており、「理解する」から「計画して運用する」までを見通せる。
授業時数は、単なる数字ではない
教務を担当したことがある先生なら、授業時数の重さをよく知っている。行事が一つ入れば、別のところにしわ寄せが出る。祝日や臨時休業が重なれば、学期の終わりに数字が苦しくなる。学年によっても、教科によっても事情が違う。
さらに調整授業時数を考えるとなれば、「減らす・増やす」だけでは済まない。何のために調整するのか、その時間をどのような学びへ充てるのか、学校として説明できなければならない。
本書で重視したのは、時数を操作することではなく、教育課程を設計することである。

特に、教務主任と管理職には読んでほしい
この制度が本格的に学校へ入ってくれば、最初に全体像を理解しなければならないのは、教務主任や管理職だと思う。
なぜなら、担任一人の工夫では完結しないからだ。学校教育目標、教育課程、年間指導計画、行事、学年配当、週時程、校内研修、保護者への説明まで関係する。
しかし、教務主任だけが分かっていればよいわけでもない。担任、専科、学年主任、研究主任など、学校全体が同じ言葉で話せる状態をつくる必要がある。
本書は、そのための校内共通言語をつくる一冊としても使ってほしい。
担任の先生にも、ぜひ読んでほしい
「教育課程や授業時数は教務の仕事」と思う先生もいるかもしれない。しかし実際には、最後に時間割を授業へ変えるのは担任であり専科だ。
どの教科にどれだけの時間を置くのか。どこを効率化し、どこに時間をかけるのか。子どもが立ち止まって考える時間をどう確保するのか。制度の目的が分かると、毎日の一時間の見え方が変わる。

「不安」を「準備できる」に変える
新制度の話を聞くと、「また仕事が増えるのではないか」と感じるのは自然なことだと思う。だからこそ、早い段階で全体像を知る意味がある。
何がまだ決まっていないのかが分かれば、決まっていないものを無理に作り込まずに済む。今できる準備が分かれば、制度確定後に慌てずに済む。現行制度との違いが分かれば、校内での説明もしやすくなる。
本書を読み終えたときに、「分からないことが増えた」ではなく、「ここまでは分かった。では、自校ではこの順番で準備しよう」と思ってもらえることを目指した。
ぜひ、この一冊を手元に
この本は、未来の制度を先取りして断言するための本ではない。学校現場が制度の変化を正しく受け止め、必要な準備を始めるための本である。
教育課程を考える先生に。時間割を作る先生に。学校を動かす管理職に。そして、毎日子どもと向き合う担任の先生に。
『学校の時間割が変わる。』を、ぜひ読んでほしい。
『学校の時間割が変わる。』を見る
書名をGoogleで確認する、Amazonの商品ページを見る、公式書籍ページで内容を詳しく読む――目的に合わせて選べます。
文・磐田井|Ban.Tai Education Design
